「日本人取扱説明書」
皆さんは「日本人取扱説明書」という言葉を聞いたことがありますか?
私は10年位前にあるコミュニケーションの講座で、ニュージーランドの農場でワーキングホリデーを体験した女性から初めてこの言葉を聞いた時、少なからずショックを受けました。それは、まさに日本人のコミュニケーション力を物語っていたからです。
ニュージーランドには、ワーキングホリデーを体験したい人のために農場などで1日4時間から5時間仕事をすると、宿と食事を提供してもらうことができるプログラムがあります。このニュージーランドの農場主であるホストたちの間で読まれていたのが「日本人を迎えるにあたって~ホスト用ガイドライン」であり、これがまさに「日本人取扱説明書」といわれるものだったのです。
それでは、「日本人取扱説明書」にはどんなことが書いてあるのでしょうか。いくつか例を挙げてみると、次のようなことが書いてあったそうです。
①ペンキ塗りを頼んだ時、中国人や韓国人は「できない」とか「その日は別の予定がある」とはっきり断るけれど、日本人はたいていペンキ塗りができなくても断らない。
②日本人に頼んだ仕事を説明する時は、説明の仕方には十分注意を払い、理解されたかどうかきちんと確認すること。特に日本人は自分が話を聞いているということを示すために、しきりに頷いたり、「イエス」と言ったりすることがよくあるが、必ずしも理解しているわけではないということを認識しておくこと。
③調和と善意が日本人にとって最も重要なものである。あなたの気持ちを損ねたり、落胆させるのを避けたりするために、「ノー」というところでも「イエス」と言ってしまうことがある。
④特に日本人が間違いをした時には、微笑み、笑ってみせること。あなたが怒って声を荒げたら、日本人はとても動揺して傷ついてしまうだろう。前向きに励ましてあげること。
いかがでしょうか。10年後の現在でも余り変わっているようには思えませんよね。このような「日本人取扱説明書」はニュージーランドだけでなく、世界のあちこちにあるそうです。一日も早くコミュニエーションの力をつけて、このような「日本人取扱説明書」をなくしたいものですね。