「マタニティーマークとヘルプマーク」

今日は、最近電車の中で見かけるようになった「マタニティーマーク」と「ヘルプマーク」のことをお話ししたいと思います。
上の写真の左が「マタニティーマーク」で、右が「ヘルプマーク」です。どちらもとても良いマークなのですが、あまり周知されていないために、せっかくマークを身につけていても役に立っていないのが残念です。そこで、今日はこの二つのマークについてご紹介します。

「マタニティーマーク」は、まだお腹が大きくなっていない妊婦中の女性がバッグなどにつけているマークで、「お腹の中に赤ちゃんがいます。ご配慮をお願いします」ということを伝えるためにつけています。「マタニティーマーク」は最近優先席の絵の横に貼られていますし、見ればすぐに意味が分かるのですが、小さいこともあって気づかれないことが多いようです。
新聞の投書欄にマタニティーマーク」をつけた女性から『優先席に感じる優しさの不在』と題した一文が寄せられたことがありました。抜粋をご紹介します。
◆「今年初めに第2子を出産しました。第1子を産んだ5年前と比べて、如実に変化を感じるのは、電車やバスの優先席の様子です。妊娠中の通勤時から乳児連れで外出する現在に至るまで、優先席には身体などに支障がなさそうなサラリーマンや学生風の方が増えました。特にその多くを男性が占めています。妊婦や乳児だけでなく、年配の方や身体が不自由な方がいても、自ら席を立ち、譲る人はまれです。もちろん、皆さんも仕事や学業でお疲れのことでしょう。 (中略) だからこそ、私は妊娠中に立っているのがつらくても、どうすることもできませんでした。弱い立場の者が、『席を譲ってください』と声をかけるのは、本当に難しいことなのです。 (後略)」
皆さんは、この一文を読んでどのように思われましたか?

次に、「ヘルプマーク」についてご紹介します。こちらは「マタニティーマーク」よりもっと認知度が低く、都内で見かけることはありますが、ようやく首都圏に広がり始めたところです。「ヘルプマーク」は、義足や人工関節を使用している方、内部障害や難病の方、または、妊娠初期の方など、援助や配慮を必要としていることが外見からは分からない方々が援助を得やすくなるようにと作成されました。このマークをストラップとしてバッグなどにつけている方をチラホラ見かけるようになりました。でも、周囲の人たちが「ヘルプマーク」のことを知らなければ役に立ちませんよね。これを機会に、ぜひ周りの方々に知らせてあげてください。

電車に乗っているとき、スマホをしているのも目を閉じているのもご自由です。でも、電車が止まって人が乗り込んできたとき、スマホの手を止めて、あるいはちょっと目を開いて、手助けが必要な人に気づいたら、「どうぞ!」とひと言添えて、席を譲ってあげませんか。あなたのその爽やかな姿に、優先席周辺だけでなく、車両全体に優しい雰囲気が満ちることでしょう。
不思議なことですが、思いやりの行動は人から人へと連鎖するようです。まずは、自分が恥ずかしがらずにお手本になってみませんか。

※「マタニティーマーク」と「ヘルプマーク」は、都営地下鉄の駅でもらえますので、必要な方は改札口で駅員さんに聞いてみてください。

 

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