「エスカレーター乗り方改革」
現在、「エスカレーターでは歩かないで」という「エスカレーター乗り方改革」のキャンペーンを鉄道会社と商業施設が共同で実施していることをご存知ですか?
これは、近年エスカレーター利用時にバランスを崩して転倒したり、駆け上がったり駆け降りたりする際に他の人と衝突して転倒させるなどのトラブルが増えているからです。また、エスカレーター利用時に片側を空ける習慣がありますが、骨折や障害などのために片側の手すりにしかつかまることことができない利用者がいるため、危険な事故につながる場合もあるといいます。
このような状況を受けて、エスカレーターの安全利用をを呼びかけるキャンペーンが実施されることになり、上記の写真のようなポスターがあちこりの駅に張り出されていますが、見たことはありませんか?
そこで、今回は「エスカレーターの乗り方」について考えてみたいと思います。
「エスカレーター乗り方改革」のポスターには、乗り方のポイントとして、次の4つが紹介されています。
①「歩かずに立ち止まる」(歩行禁止→片側空けはしない)
②「手すりにつかまる」
③「黄色い線の内側に立つ」
④「荷物をしかり持つ」
【エスカレーターの片側開けについてどう思いますか?】
◆エスカレーターでの事故防止の対策として、「手すりにつかまる」「黄色い線の内側に立つ」「荷物をしっかり持つ」の3つについて反対する人はいないでしょう。
しかし、「歩かずに立ち止まる」(歩行禁止→片側空けはしない)には異論を持つ人が結構いるのではないでしょうか。
ところで、エスカレーターでの「片側空け」の習慣は、第2次世界大戦中に英国で混雑緩和のためのマナーとして考案されたようです。 日本では1967年に阪急電鉄が梅田駅で急ぐ人のために「片側空け」を呼びかけたのが最初だと言われています。そして、「片側空け」が本格的に全国に普及したのは1980年90年代以降のことです。 特に東京では深い地下鉄駅が相次いで建設されて長距離のエスカレーターが増えたため「片側空け」が普及するようになったのです。
◆エスカレーターでの『片側空け』を禁止すればホームの混雑が迅速には解消されず、むしろ転落事故が起きかねない」という意見や「あくまでもマナーの問題で『歩くな』とは強制できない」という意見もあります。 みなさんはエスカレーターの「片側空け」についてどう思いますか?
いずれにしても、エスカレーターでの事故は882件(平成25年~26年)と毎日のように起きていて「歩くなどの乗り方」が主な原因です。 お年寄りや障害のある人への配慮がされ、誰もが安心安全に使えるようなエスカレーターであってほしいですよね。