コロナ危機:高く評価される女性首脳たち

新型コロナウイルスとの闘いが続いていますが、逆境の時にこそその人の真価が問われるといいます。 特にその真価が問われているのは各国の首脳たちですが、中でもその能力も国民からの信頼感も際立っているのが女性の首脳たちです。
そこで今回は、コロナウイルスの封じ込めに成功して高く評価されている女性首脳たちを紹介します。

【台湾】蔡英文首相
◆英メディアが「最も成功した首脳」と評しているのが台湾の蔡英文首相。台湾では昨年末に武漢から原因不明の肺炎の例があるという情報をもらった当日に緊急会議を開いて対策を始めました。そして正月には検査体制の強化や検疫の強化を実施。2月初めには中国からの入境を禁止し、先手先手で対応。さらには感染経路を的確に把握して、感染者の隔離を徹底。このように徹底した管理体制と迅速な対応で国民の評価も急上昇しています。

【ニュージーランド】ジャシンダ・アーダーン首相
◆アーダーン首相は、3月下旬に死者が出ていない段階でロックダウン。社会心理学に基づいて厳しい要求ははっきりと伝えながらも、連日記者会見を開いて状況を説明。 また、各家庭に各警戒レベルの定義や取るべき方策を表に簡潔にまとめたA3ほどの紙を配布。 「厳しく、早く」のコロナ対応と「強く、やさしく」という理念の一貫性のある対応で、87%の国民が政府を支持。アーダーン首相は常に言葉と行動が一致しているのです。

【ドイツ】アンゲラ・メルケル首相
◆世界で最も信頼されている女性首脳といえばやはりメルケル首相ではないでしょうか。 メルケル首相が国民から支持されている主な理由は、①科学への理解、②うそをつかないというイメージがあることだといいます。メルケル首相は博士号をもつ物理学者で、科学の重要性を理解して病床を確保し、すばやく財政支援をしたこと。また、冷静に封鎖理由と出口戦略を説明する動画が国民の間で人気を博したのが、支持された大きな理由です。 自国民だけでなく、世界中の人たちにも感銘を与えるスピーチができる首相をもつドイツ人は幸せですね。

【アイスランド】カトリーン・ヤコブスドッティル首相
◆ヤコブスドッティル首相は2月に初の感染者が出る1ヵ月も前にPCR検査を開始。また3月には国民すべて、さらに症状がない人にも無料でウイルス検査を実施し、死者を十人以下に抑えたのです。このような迅速な対応が国民から評価されたのです。

【デンマーク】メッテ・フレデリクセン首相
◆フレデリクセン首相は、3月に一斉休校した時には会見で「子どもたちの質問に答える時間」を取りました。また、4月には規制緩和の第一歩として学校をいち早く再開しました。これは「子どもは国をつくる国民のひとりだ」と考えていたからです。 フレデリクセン首相は、自宅で皿洗いをしながら往年のヒット曲を歌った動画も公開するなどとても庶民的です。

【フィンランド】サンナ・マリン首相
◆マリン首相は史上最年少の34歳。昨年の12月に首相に就任したばかりで、最初の大仕事がコロナ対応となりましたが、とても好感のもてる会見を続けました。フレデリクセン首相の影響もあって、子ども向けの会見も開きました。 また、正しい情報を広めてほしいという思いから様々な年齢層のインフルエンサーに協力を求めたことも評価された一因です。

◆ご感想はいかがでしたか。 「いつか性別も年齢も問われない時代になってほしい。私はできる限り社会に尽くしたいと思っているだけで、能力は男性より上でも下でもない。誰だって周りの人の協力なしには大きな目標を成し遂げることはできません」というマリン首相の言葉がとても印象的でした。