「コロナ対策 : 危機管理」
第2波でしょうか?新型コロナウイルスが東京だけでなく全国各地へと感染を拡大し続けています。それにもかかわらず、政府は野党や国民の「国会を開いて対策を話し合うべき」という要望に応えようとしません。また、首相は記者会見も開こうとしません。最も感染拡大が深刻なのは結縄ですが、GoToトラベルキャンペーンを一時中止しようともしない政府。国民の約60%が政府のコロナ対応を評価せず、不安を感じています。一体この国の危機管理はどうなっているのでしょうか。
政府に不信感を募らせていた折、コロナ対策の危機管理、特に政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会に関して新提言をして下っ去方がいらっしゃいました。元内閣官房参与で多摩大学大学院名誉教授の田坂広志氏です。
今回はその田坂氏の新提言をご紹介します。
◆感染が全国に広がることを恐れた分科会は、GoToトラベルキャンペーンとお盆の帰省について移動することに慎重になることを提言しましたが、政府は経済を優先し分科会の提言を採用しませんでした。 このように、1つの組織に“経済と安全”の両立を目指すと、経済優先・安全軽視に流れてしまう傾向にあります。
◆田坂氏は2011年、東日本大震災と福島原発事故の発生に伴い、内閣官房参与に就任。 原発事故対策に取り組んだ経験を踏まえて、分科会のあり方について次のように提言しています。
【分科会のあり方~どのような組織が必要か】
①政府ではなく、国会が指名したメンバーで構成する
※国会の指名であれば、与党と野党の両方から指名されたメンバーが多様な意見を提言できます。 特に感染症の場合は、1つの提言が失敗だったら、別の提言に取り組むことができます。
②政府から独立した立場で専門的判断を表明でき、政府に対し強い勧告権限をもつ
※現在の分科会の提言が、政府から恣意的にまた都合よく利用される可能性があります。
➂適切な緊張関係の下に情報交換と議論を行う
※緊張関係の下に議論を行うには、議事録のプロセスを全て情報公開することが必要。
④国民に対するリスク・コミュニケーションの機能をもつ
※台湾の担当大臣は、会見の時にすべての質問にきちんと答えているそうです。これこそが国民に対する最善のリスク・コミュニケーションではないでしょうか。
◆ご感想はいかがでしたか?まさに田坂氏の提言は正論ですよね。
今の政府が設置している分科会は、どの提言にも当てはまっていないのですから、政府のコロナ対応が国から信頼されるはずはありませんよね。
確かに感染症対策で「経済と安全」の両立は難しいかもしれませんが、やはりできる限りPCR検査を実施して無症状者も把握し、隔離することで感染者を少しでも増やさないようにすることが基本ではないでしょうか。 感染者には適切に対応すべきであることは言うまでもありません。