「ワカーズコープ」

ー新型コロナの影響で、失業者が増えています。廃業や倒産による失業者だけでなく、雇い止めや派遣切りによる失業者の増加が社会的な問題になっています。 また、これまで不自由なく生活していたのに、突然失業してホームレスになった人の話をニュースで見聞きする度に胸が痛みます。
そんな折、新聞で「ワーカーズコープ」のことを知りました。私は初めて知りましたが、皆さんはご存じでしたか? そこで、今回は「ワーカーズコープ」についてご紹介いたします。

◆コロナ禍をきっかけに、リモートなどいろいろな働き方が広がっていますが、この「ワーカーズコープ」も多様な働き方の一つとして26日召集の臨時国会で議員立法として成立する見通しです。
それでは、「ワーカーズコープ」とは、どのような働き方なのでしょうか。

◆「ワーカーズコープ」とは、働く人が自ら出資し、運営に携わる新たな働き方で、「協同労働」と訳されています。 自ら仕事を創り、生き生きと働ける新たな選択肢として注目されています。 実は、この「ワーカーズコープ」の考え方は、日本労働者協同組合連合会が「良い仕事とは何だろう。なんのために働くのか。労働者は企業の部品なのか」と、失業者対策として法制化を求めて30年以上模索し続けてきたそうです。
つまり、「ワーカーズコープ」(協同労働)の考え方は、現代社会で働く多くの人たちが、意欲や能力をに見合った就労の機会を与えられず、失業する恐怖や疎外感に悩まされている問題意識に根差していたのです。 また、地域社会の要望に沿った、やりがいを感じられる仕事を住民が自ら創り、主体的に働ける仕組みとして、考え出されたのです。

◆誰もが「ワーカーズコープ」の働き方を選べるわけではありませんが、少なくとも働き方の選択肢が多様化して、誰もが自分なりに自分の仕事を守り、働く意義を感じられるような働き方を選べる社会になってほしいものです。
政治家に不信感を抱くことが多い昨今ですが、今回、働く人の声が政治を動かして、超党派の議員立法として成立することになったことは本当に良かったと思います。