「子育て支援対策」
参院選でも大きな争点の1つになったのが「少子高齢化問題」です。 そこで今回は「子育て支援対策」についてお話ししたいと思います。
◆日本では1980年からなんと41年間も子どもの数が減り続けています。
1950年に35.4%だった子どもの割合(14歳以下)が、2021年には11.1%にまで減少し、人口4千万人以上の33の国の中で最下位となってしまいました。
少子化の主な原因は未婚の人が増えたことですが、そもそもの原因は20代・30代の貧困が増えたことや雇用が不安定なため、結婚して子どもを育てられないことです。
◆少子化対策には、若い人たちが安心して子どもを産んで育てられる環境を整えることが必要ですが、その環境づくりに成功している自治体をご存知でしょうか?
◆それは「母になるなら流山市」というキャッチコピーを掲げて、子育て支援に取り組んでいる千葉県の流山市です。
流山市のメインターゲットは「共働きの子育て世代」で、様々なサービスを実施しています。その中から主なサービスを3つご紹介します。
①保育所を増やした
◆2010年には17か所しかなかった保育所を、2021年までに100か所に増やしました。流山市ではコンビニ(54軒)よりも保育所の方がずっと多いのです。
②駅前に保育送迎ステーションを設置した
◆子どもをこのステーションに預ければ、それぞれの保育園へバスで送迎してくれます。 設置場所は2か所で、利用時間は朝は7時~9時、夕方は4時~6時です。そして利用料は1日わずか100円です。
この駅前保育送迎ステーションのおかげで、働きながら子育てできるので、仕事を続けている母親が増えたようです。
➂保育士への手当てを充実させた
◆保育所を増やすには、多くの保育士さんが必要です。そこで流山市が実施したことは、保育士に給与とは別に、月々4万3000円の手当、家賃補助を月額最大6万7000円、そして就職奨励金として最大30万円を支給することにしたのです。すごいですよね。
おかげで保育士が増えて、2016年に146人もいた待機児童が、2021年年にはゼロになったのです。
◆これらの取り組みのおかげで、流山市の人口増加率は2016年以来5年連続全国1位です。それも若い人を中心に増加しているのです。(当然、税収も増えました)
※(人口)2002年 15万1439人 → 2021年 20万5210人
※(税収)市長就任時 2003年 6億9600万円 → 就任2年目 2004年 13億5900万円
◆ご感想はいかがでしたか? 流山市のように工夫次第で若い人たちのための子育て環境を整えることで、少子高齢化に歯止めをかけることができることがお分かりいただけたと思います。
他の自治体も工夫して、子育て支援に取り組んでほしいものですね。