「職責と気骨」

今日は大晦日。2023年の最後の日です。毎年京都・清水寺で発表される今年の漢字は「税」でしたが、みなさんはどのような漢字を思い浮かべましたか?「怒」「疑」「憂」などなどいろいろあるでしょうが、明るいイメージの漢字は少ないのではないでしょうか。
私がととっさに思い浮かべた漢字は二文字ですが、「職責」「気骨」「宗教」などでした。
そこで今回は2023年の世相を漢字二文字で振り返ってみました。

【職責】
◆職責とは、で生じる責任のこと。政治家なでがよく「最後まで職責を全うしたい」とよくアピールしていますよね。今年、自民党の国会議員たちのパーティー券裏金作りが表面化しました。国民のために法律を作るのが仕事の国会議員が法律を破って裏金を作っていたのですから呆れますよね。しかも組織ぐるみで!彼らは「職責」という言葉を知っているのでしょうか?
自民党内部からは反省の声もほとんど聞かれないので、自分たち自身で政治家改革をする気配はありません。
今回の政治とカネの問題に関連して思い出されるのが35年近く前に作られた自民党の「政治改革大綱」のこと。
この時に中心となって自民党の腐敗と向き合って政治の信頼を取り戻そうとしたのが後藤田正晴氏でした。この後藤田正晴氏はまさに「気骨」の人だったと思います。

【気骨】
◆「気骨」とは、自分の信ずることを貫こうとし、容易に人に屈服しない強い心」のことですが、頑固とは全く違います。
後藤田正晴氏はまさに信念の人で、1988年のリクルート事件を受けて、自民党の「政治改革大綱」をとりまとめたのです。
その際、後藤田氏は「改革への決意」として、「国民の政治にたいする信頼を回復するためには、
まこそ自らの出欠と犠牲を覚悟して国民に政治家の良心と責任感をしめすときである」と述べています。
現在の自民党にこれほどの覚悟をもった国会議員はいるでしょうか。

今の時代、政治家に限らず経済人にも「気骨」のある人はいるのでしょうか。少なからずいるとすれば、現在のように日本はいつまでも「失われた〇〇年」といわれることはなくなることでしょう。

今年は暗いニュースが多かったですが、新年は私たち一人一人が「気骨」をもって新しい年を切り開く覚悟で良い年にしたいものですね。