「ミライ人間洗濯機」(1)

ここのところ公私ともに忙しくしていて、今回も本当に久しぶりの投稿になってしまいました。政治不信や戦争など相変わらず位ニュースが多いですが、今回は明るい話題をお伝えしましょう。

【ミライ人間洗濯機】(1)
◆何かと話題の多い大阪万博ですが、先日テレビでとても興味深いニュースを観ました。
大阪の企業「サイエンス」が万博のヘルスケア・パビリオンに参加し、「ミライ人間洗濯機」を展示する準備を進めているそうです。展示する商品はシャワーベッド「ミラブル」といって、小さな泡が汚れを浮かせて落とす仕組みです。ベッドで使用しても布団が濡れないので、介護現場から期待されているそうです。

【1970年万博の人間洗濯機】
◆実は、1970年の万博に「人間洗濯機」が出展されていました。設計したのは元サンヨー電機の技術者だった山谷英二さん(当時28歳)です。当然、商品化を目指すもの思っていましたが、万博向けだったため、開発を命じられたのは山谷さんたけでした。実験的な開発だったのです。
◆1970年3月15日に開幕した大阪万博では、人間洗濯機は好評を博したという。1日に4,5回、各回15分ほどの実演に多くの人が詰めかけ、大阪万博を振り返る時は、必ず紹介されると言ってよい展示の一つでした。しかし、山谷さんは「技術面では、あまり納得がいく出来ではなかったという。
◆山谷さんは、大阪万博が閉幕してからも、商品化したいと願い、何度も改良を重ねてきました。しかし、別の部署に異動したり、別の会社に転勤したりしたこおとも重なり、商品化は実現しませんでした。技術者人生で唯一の心残りとなりました。
◆20年ほど前に退職してからも、山谷さんは人間洗濯機への思いを断ち切ることができず、「どこかの企業に持ち込もう」と企画書を練り続けていました。
◆そして、数年前、あるテレビのCMを目にしました。大阪の企業「サイエンス」が開発したシャワーベッド「ミラブル」でした。
山谷さん自身が考えた「超音波」とは理論が異なりますが、「これで人間洗濯機が実現できる」と衝撃を受けたそうです。

【サイエンスのシャワーベッド「ミラブル」】
◆山谷さんが思い切って電話をすると、サイエンスは2025年の大阪万博で「ミライ人間洗濯機」を展示する準備を進めていることは冒頭にお話しした通りです。
◆山谷さんが会社に足を運ぶと、サイエンスの青山恭会長(63)が1970年大阪万博で人間洗濯機を観た少年の一人だったと知りました。
そして、「当時の開発のコンセプトや万博の展示のノウハウを教えてほしい」と協力を求められ、技術顧問に就任しました。
◆山谷さんの現在は、2025年大阪万博に向けた開発日程などを助言する立場です。実際の開発は、孫のような年齢の技術者が担っています。

 

◆ご感想はいかがでしたか? 本来、万博はドラえもんの「なんでもポケット」にあるような「将来こんなものがあるといいな」と技術者たちが夢見た展示品を見て、見学者たちがワクワクできる場ではないでしょうか。損得や利害を超えて、純粋にそのような場であることを願っています。