「五方よしの経営とは」

本当にお久しぶりです。これまで「中央教育審議会の提言」や「自民党総裁選」「米国大統領選」などなど、ブログで取り上げたいテーマはいろいろありました。しかし、講座の準備などでなにかと忙しく、今日になってしまいました。久し振りなのに、言い訳から始まってしまいました。
そこで今回は、「人を大切にする経営学会」の第11回全国大会が開催されましたので、会長である坂本光司先生の経営理念である「五方よしの経ご紹介したいと思います。

【五方よしの経営とは】
◆「三方よし」とは、商売をしている方ならどなたもご存知のように、近江商人の経営方針「売り手よし、買い手よし、世間よし」を表した言葉です。
ところが、最近トヨタの認証試験での不正事件など大企業の不祥事が続出しています。かつて世界中から賞賛された「モノづくり」の日本の経営はどうなってしまったのでしょうか。
それは、どんなに高い技術をもっていても、どんなに良い商品を提供していたとしても、「企業は社会みんなのものである」という根本原則を忘れ、社会の公器としての責任や使命をないがしろにしている経営者が増えているからだと、坂本先生は言います。

【五人に対する使命と責任】
◆会社の経営とは「五人に対する使命と責任」を果たすための活動だと、坂本先生は定義しています。
使命と責任を果たす五人とは、具体的には順に次の人たちのことです。
①社員とその家族を幸せにする
②外注先・下請企業の社員を幸せにする
➂顧客を幸せにする
④地域社会を幸せにし、活性化させる
⑤自然に生まれる株主の幸せ

◆普通の経営者は、まず①株主 ②お客様 が大事と考えるのが一般的ではないでしょうか。また最近は、SDGsのことが言われるようになってきたので、➂社会貢献について語る経営者も出てきました。
しかし、④社員とその家族のことを大事にする経営者はかなり良い経営者と言えるのではないでしょうか。まして、⑤下請企業の幸せまで考えることのできる経営者は滅多にいないのではないでしょうか。
◆しかし、「人を大切にする経営学会」の会員企業は、「五方よしの経営」を目指して日々努力しています。それらの企業の実践記録は『日本でいちばん大切にしたい会社』シリーズ(あさ出版)に紹介されていますので、ぜひご一読ください。
「五方よしの経営」を実践する経営者が増えれば増えるほど、日本は“失われた30年”とは無縁で、素晴らしい国になることでしょう。