「壁なんていらな~い!」

「壁なんていらない」というと、皆さん「心の壁や人種の壁」のことだと思いますよね。
でも、これは「税金の壁」のことです。目下、国民民主党が提案した「103万円の壁」が問題になっていますが、壁そのものをなくそうと努力しない限り問題は解決しないと、青学大名誉教授の三木義一先生は「本音のコラム」の中で書いています。
そこで今回は、「税金の壁」をなくすための解決策の例をご紹介したいと思います。

【税金の壁をなくす解決策】
◆「本音のコラム」の中で、三木先生は税金の壁をなくす解決策があること、そしてその一例として所得税と社会保険料を統合したオランダの例を紹介していました。
◆しかし、5年に1度の年金制度改革法案が2025年度の通常国会に提出される予定なので、ここでは年金と税金を統合した「カナダの年金制度」についてご紹介したいと思います。

【日本の年金~国民の声】
①国民年金(基礎年金)の6万8000円では生活できない。
(未納のため国民年金をもらえない人がいる)
(国民年金を一生懸命納めても、支給額が生活保護費より少ないのはおかしい)
②高所得者から無職まで年金保険料が同じなので、お金持ちほど負担が少ない。(所得格差がある)

 

【カナダの年金制度】
《良いところ》
①基礎年金を国民全員が受給できる。(国民皆年金)
②所得格差を緩和できる。
(高齢者の貧困が日本に比べて少ない)

【カナダ方式の年金制度】
◆基礎年金∔カナダ年金(日本の厚生年金)∔私的年金
《カナダの基礎年金》
(対 象) 国民全員
(給付額)月8万円 ※75歳以上は1割増
◆年金の財源は税収。※年金保険料の徴収はない。
◆「国民皆年金」を実現した。

 

《カナダ年金》(日本の厚生年金)
(対 象)自営業・会社員・公務員など
(給付額)月約15万4,500円 ※報酬に比例
◆財源は社会保険料 ※雇用主と労働者が折半して負担
※自営業者は全額自己負担

《カナダ方式の年金制度の良い所》(再確認)
①「国民皆年金」であること。
※基礎年金を国民全員が受給できる。
②所得格差を緩和できる。
◆低所得者には補足給付がある。
(単身者の場合)年収245万円以下~補助金は月額最大約12万円
◆高額所得者には「基礎年金」税が課される。※実質削減
(年収が925万円を超える)超過分の15%が納税義務。

◆ご感想はいかがでしたか?
そもそも高度経済成長期時代の制度を、少子高齢化・人手不足の現在も未だに是していないことは政治の怠慢ですよね。
しかも、なぜ「103万円の壁」など壁の論議ばかりしているのでしょうか。
働きたい人にはどんどん働いてもらって、税金を納めてもらえばいいじゃないですか。人手不足なのに、働きたい人に税の壁をつくって制限するなんて愚策ですよね。
◆今回の「カナダ方式の年金制度」の他にも、「税の壁」をなくすための解決策はいろいろあるようです。
私たち国民は、それらの解決策をヒントにして日本に合った抜本的な政策を提案してくれる政治家を選びたいものですね。
間違ってもSNSに振り回されて、単なるポピュリズムの公約を掲げる政治家を選ばないように国民が賢くなりたいものですね。

(参考資料)「羽鳥慎一モーニングショー」