此頃世界ニハヤル物」

「二条河原の落書」をご存知でしょうか? これは建武の中興(1334年)当時の混沌とした世相を風刺した七五調の文書です。ここに書かれている言葉の多くは現在の世相にも重なります。
そこで今回は、この「二条河原の落書」に倣って、「此頃世界ニハヤル物」と題して、ご紹介してみたいと思います。

【二条河原の落書】
◆「二条河原の落書」は、建武元年(1334年)に京都の二条河原に立てられた落書で、建武政権の政策や世相を風刺したものです。
七五調の連歌形式で、88節にわたって構成されています。
当時の混沌とした風習や文化を風刺しています。
京都を右往左往する恩賞目当ての武士の姿、成り上がり者の振る舞い、身分秩序の崩壊などが落書されています。
作者は、建武政権に不満を持つ僧か貴族。京童であるとも言われていますが、詳しいことはわかっていません。
◆「夜討、強盗、謀論旨(にせろんし)・・・」で始まる落書には、虚騒動、俄大名、本領ハナルル訴訟人など、現在でも通用するような言葉が連なっています。
そこで、現代版「此頃世界にハヤル物」を落書してみました。
TVニュースや新聞によく取り上げられている言葉を集めました。

【「此頃世界にハヤル物」】
◆「此頃世界ハヤル物、トランプ、プーチン、ネタニヤフ、脅し外交、侵略戦争、ヒトラー舌巻く大量虐殺、自国第一、アメリカファースト、やりたい放題、独裁政治、気候変動なんじゃそれ、化石燃料掘って掘って掘りまれ、人権も多様性もなんのその、世の中は男と女アダムとイブのみ、取り巻きは諫言できぬイエスマン、言論の自由?、SNSでフェイク情報たれ流し、極右の台頭あちこちで、民主主義はどこへ行く」

◆ご感想はいかがでしたか?
続きはまだまだ落書できますので、ご自分でも考えてみてください。
また、日本版「此頃日本ニハヤル物」ではどんな落書が連なるでしょうか。これもぜひ落書してみてください。